左沢藩
左沢藩(あてらざわはん)は、1622年に酒井忠勝の弟、酒井直次が1万2000石を拝領し、出羽国(現在の山形県大江町)に設立されました。直次は当初、左沢楯山城を本拠としましたが、その後交通の便を考慮し、新たに小漆川城を築き、藩庁を移しました。左沢藩は庄内藩の支藩としての役割を果たしながら、地域の経済的な発展に貢献しましたが、藩の規模は比較的小さく、直次の統治に依存する部分が大きかったといえます。 1630年に直次が嗣子を残さずに急逝したことで、左沢藩は一代限りで廃藩となり、領地は幕府に返上されました。廃藩後、この領地は庄内藩の預かり地として管理され、後に庄内藩に吸収されました。左沢藩はその歴史が短かったものの、小漆川城跡などは現在でも地域の歴史的遺産として親しまれ、当時の名残を伝えています。また、この地域は藩の消滅後も発展を続け、現在の大江町の基盤となりました。