ざっくり簡単解説!松平直矩とは?

松平直矩(まつだいらなおのり)は、江戸時代前期に活躍した大名で、頻繁な転封を経験したことから「引っ越し大名」として知られています。1642年に徳川家康の孫である松平直基の長男として誕生し、1648年にはわずか7歳で播磨姫路藩の藩主に就任しました。しかし、宗家である越後高田藩で発生したお家騒動の影響により、越後村上藩、出羽山形藩陸奥白河藩など合計7回に及ぶ転封を余儀なくされました。こうした転封は幕府の政策や他家との関係に大きく左右されたものであり、財政面にも深刻な影響を与えました。

財政難により年貢の取り立てが厳しくなり、領民からの不満が募る一方で、直矩自身は歌舞伎や観劇など文芸を愛する面も持ち合わせていました。彼が17歳から54歳で没するまで綴った『松平大和守日記』には、藩政や日常生活、趣味の観劇などが詳細に記録されており、当時の藩政や日々の暮らしを知る上で貴重な資料とされています。1695年に54歳で没し、「引っ越し大名」としての異名とともに、波乱に満ちた一生が後世に語り継がれています。

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