ざっくり簡単解説!川越藩とは?

川越藩(かわごえはん)は、江戸時代を通じて武蔵国(現在の埼玉県川越市)を拠点とし、江戸に近接する要所として重要な役割を果たしました。藩は1590年、徳川家康の家臣酒井重忠が初代藩主として配置されて成立。その後も多くの老中や大老を輩出し、江戸の防衛および幕府政治に深く関わりました。特に老中・松平信綱が藩主であった際には、川越城の大規模改築や玉川上水の整備を行い、藩政基盤を強化しました。信綱は「知恵伊豆」と称され、家光の信頼を集めました。

その後、五代将軍綱吉の寵愛を受けた柳沢吉保が藩主となり、儒学者・荻生徂徠を登用して「三富新田」の開発を推進するなど、農業や産業の発展にも力を入れました。川越藩は「小江戸」とも呼ばれ、特に薩摩芋や舟運などを活かして「江戸の台所」として経済的にも繁栄しました。

幕末期には松平康英が老中として藩主を務め、新政府への恭順を示すため、川越城の堀を埋め立てて平和を維持しました。1871年の廃藩置県により川越藩は廃止されましたが、現存する川越城本丸御殿などを通じて、藩の歴史と影響が現在も親しまれています。

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