ざっくり簡単解説!森家先代実録とは?
『森家先代実録』(もりけせんだいじつろく)は、江戸時代後期に編纂された森家の家史であり、全28巻と補遺2巻から構成されています。この実録は、赤穂藩主・森忠哲が先祖の事績を明らかにするため、文化4年(1807年)に編纂を開始しましたが、忠哲の早逝により未完となりました。その後、弟で養子の森忠敬が遺志を継ぎ、文化6年(1809年)に完成させました。
内容は、森家の創立から津山藩主時代、赤穂藩主時代、そして改易に至るまでの詳細な記録が含まれています。特に、津山藩主時代の藩政や、赤穂藩主としての治世、さらに赤穂事件に関する記述など、森家の歴史を網羅しています。また、附図として津山城の詳細な図面が3枚添付されており、当時の城郭構造を知る上で貴重な資料となっています。
この実録は、森家の家臣や藩士の記録、藩庫に保管されていた文書など、多岐にわたる資料を基に編纂されており、江戸時代の大名家の歴史研究において重要な史料とされています。現在、原本は個人蔵とされており、写本が赤穂市の大石神社や新見市立図書館などに所蔵されています。また、岡山県史第25巻「津山藩文書」にも翻刻されており、研究者や歴史愛好家にとって貴重な資料となっています。
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