ざっくり簡単解説!松平大和守日記とは?
松平大和守日記は、江戸時代の大名で「引っ越し大名」として知られる松平直矩(まつだいらなおのり)が17歳から54歳で亡くなるまで書き綴った日記です。この日記には、藩主としての公務から日々の天候、鷹狩りや観劇などの余暇活動、さらには家臣や藩内での事件まで幅広い内容が記録されています。当時の大名の生活や社会情勢を知るための貴重な資料であり、江戸時代初期の藩政運営や文化的嗜好を理解する手がかりとなっています。
直矩は江戸在住中も芝居や文芸に興味を持ち、観劇や音楽を楽しむ一方で、家臣や藩士のために人形浄瑠璃を自邸で催すなど、家臣の士気を高める配慮も行いました。また、頻繁な転封と財政難に悩まされ、藩士の給与削減や徴税を強化する厳しい施策も記されていますが、大きな家臣の反乱や事件には発展せず、彼の粘り強い統治姿勢がうかがえます。このように『松平大和守日記』は、直矩の一生と江戸期の大名の生活に関する希少な歴史的文献となっています。
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