ざっくり簡単解説!小久保藩とは?
小久保藩(こくぼはん)は、明治初期に千葉県富津市小久保地域に設立された短期間の藩で、幕末から維新期の変革に伴って誕生しました。1868年、遠江国相良藩から移封された田沼意尊(たぬまおきたか)が藩主となり、小久保村に藩庁を設けて立藩しましたが、意尊の急逝により弟の田沼意斉(たぬまおきなり)が藩主を引き継ぎ、藩の運営にあたりました。
小久保藩は1万石の小藩で、藩庁として「小久保陣屋」が設置され、陣屋周辺には藩士の住宅地が整備されました。藩校としては「盈進館(えいしんかん)」が建設され、英語や西洋教育が行われるなど、開明的な教育方針が取られたのが特徴です。この藩校では、漢学を中心としながらも、当時の新たな知識を取り入れ、教育の場として高い評価を受けました。しかし、小久保藩は明治4年(1871年)の廃藩置県により廃止され、「小久保県」となったのち、木更津県を経て最終的に千葉県に統合されました。
現在、富津市には「小久保陣屋跡」の石碑が残り、藩時代の歴史を伝えています。また、藩校の「盈進館」は後の小学校の基礎となり、地域の教育施設としての役割を果たしました。このように、小久保藩は短期間ながらも教育や文化面で地域に貢献し、維新期の藩として独自の足跡を残しています。
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