ざっくり簡単解説!令旨とは?

令旨(りょうじ)は、天皇や上皇の命令を伝達するための文書であり、特に皇族や高貴な身分の者が発布するものを指します。通常、天皇の勅令に対して正式な形式を持たない非公式な命令を意味し、儀礼的な場面や急を要する事態で用いられました。

平安時代末期、以仁王が発布した以仁王の令旨が歴史的に有名です。1180年、平氏の専横に反発した以仁王は、源氏や全国の武士たちに挙兵を呼びかけるため、この令旨を発布しました。この令旨は、平氏打倒のきっかけとなり、最終的には源平合戦を引き起こし、鎌倉幕府の成立へと繋がる歴史的な重要文書となりました。

令旨は、正式な勅令や詔勅とは異なり、儀式的な装飾や厳格な形式を持たないため、急を要する命令や、戦争などの緊急事態で発布されることが多かったです。また、皇族が独自に発布するものとして、政治的な影響力を持つ場面も見られました。

以仁王の令旨は、単なる命令にとどまらず、日本の政治史における大きな転換点を示すものとなり、令旨という形式が持つ政治的意義も大きく注目されています。

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